古代地中海世界で栄華を誇ったイタリアには、その繁栄と交流を物語る多くの美術作品が残されています。本年度の連続文化セミナーでは、マグナ・グラエキアの美術から、ローマ美術、初期キリスト教美術まで、様々な作品から古代のイタリアを読み解いていきます。 作品に織り込まれた、歴史、文学、宗教、社会などの要素も交えながら、美術が伝える芳醇な古代世界をわかりやすくお伝えします。 | |||||||||||||||||||||||||
第5回 古代異教美術から初期キリスト教美術へ ― ローマのサンタ・コスタンツァ聖堂を中心に ― 313年のミラノ勅令によるキリスト教公認後、ローマでは聖堂建造ブームが起こります。 350−375年頃、ローマのサンタ・コスタンツァ聖堂はローマ皇帝コンスタンティヌス1世の娘コンスタンティナとその妹ヘレナの廟堂として建てられました。 サンタ・コスタンツァ聖堂は聖堂建造ブームで建てられた建築物の中でも最初期のものになります。 内部には、創建時にさかのぼる古代異教的・キリスト教的モザイクが残っていて、当時の装飾を伝える貴重な聖堂です。 9世紀半頃には、古代異教的図像によって酒神バッカスの神殿とみなされたこともありましたが、初期キリスト教美術の代表作として知られています。 講座ではサンタ・コスタンツァ聖堂のモザイクをじっくり眺めて、4世紀のローマを楽しみましょう。 | |||||||||||||||||||||||||
<講師プロフィール> 伊藤 怜(いとう れい) 東京造形大学非常勤講師。早稲田大学文学研究科美術史専攻博士課程修了。イタリア政府給費留学生として、ローマ大学ラ・サピエンツァに留学。専門は中世イタリア美術史。共著に『教皇庁と美術』(竹林舎)、『聖堂の小宇宙』(竹林舎)がある。
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その他の回は以下の日程(時間帯・受講料・会場は本セミナーに同じ)・テーマで開催いたします。
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