カルロ・カッソラ(1917-1987)の“Gli anni passano”『月日が過ぎて』(1982年)を読みます。『ブーベの恋人』(1960年)の後日談に当たります。
12年近い刑期を終え、自由を手にしたブーベは、30代半ばになっていました。奪われた歳月を取り戻すべく、ふつうの生活を手に入れようと奔走しますが、なかなかうまくはいきません。本人は政治犯として投獄されたと認識しており、人々から英雄視されるものと期待していたものの、出所者に対する世間の目はそう甘くはありませんでした。
順番に訳出してもらいますが、完璧な訳文を用意する必要はありません。それよりも構文を正しく理解し、内容をつかむことを重視します。イタリア語の作品として鑑賞する目を育みましょう。