熱気溢れたシンポジウ厶

PICT0009.jpg日伊協会創立70周年の記念の「日伊交流促進の方途を探る」シンポジウ厶は5月19日午後に、在京ペトローネ・イタリア大使のお祝いのご挨拶で開幕、大使館、イタリア文化会館、イタリア貿易振興会、政府観光局、イタリア商工会議所の代表のお歴々が全員参加され、北海道、弘前、仙台、十日町、長野、名古屋、京都、大阪、高知、愛媛、長崎、宮崎の日伊協会と当協会の関係者が参加して、日伊両国語の同時通訳をアマディ、田丸両氏が務めるという、内容のある活発な本音の議論が行われ大成功でした。
このためにローマから久しぶりに帰られた坂本鉄男先生は、過去100年に及ぶ日伊間の文化交流の特徴や問題点を率直なお人柄を反映してユーモアに溢れつつも、時には苦言を呈する基調報告をされ、その後の熱気溢れる議論を見事に先導されました。
「イタリア熱」に陰りが見られる昨今ですが、日本人のイタリアへの関心はライフスタイルや社会へと移っています。イタリアでの日本への関心も文学作品のイタリア語訳出版でようやく高まりつつあります。グローバリズムの浸透の中で、文化の多元性の重要性が高まっている現代、日本によるイタリア文化の吸収という一方交通でなく、「対等な」相手文化への相互理解の流れの重要性と日伊の関係機関の間の連携強化の必要性が改めて確認されました。今後連絡ネットワークの強化を検討するという合意も出来ました。

PICT0011.jpg当協会としては参加者に深く感謝申し上げる次第ですが、大きな収穫は<石川ルーム>―当日午前開催の当協会の内輪の記念行事で201号室を故石川六郎会長を長く記念するためのこう命名しました―の同時通訳施設は完璧で、収容人員も最大限50名は可能と判ったことです。この規模の施設は使い勝手が良く、利便性も高いので、今後色々な目的のために利用して頂きたいと思います。

PICT0012.jpgこのシンポジウ厶開催にあたりペトローネ伊大使は三田の大使公邸で参加者全員と当協会支援者を盛大なレセプションにお招き下さいました。また(社)東京倶楽部は多額の経費助成をして下さいました。誠に有り難いことと、心から感謝申し上げます。

日伊相互理解の促進という観点から、日伊協会はこの夏に初めてボローニャ大学の学生10名強のために5週間に亘る日本語の夏季講座をこの<石川ルーム>を活用して行います。在京のイタリアの人たちに日本語や日本文化に触れてもらうことも重要と思います。
なお多くの受講生の方がこれらの学生のホームステイにご協力下さり、厚くお礼申し上げます。

日伊協会会長 英正道