イタリア マンドリン通信 <修道院での音楽キャンプ><オケ友人宅の夕食に招待される><ミラノの図書館中庭での新しいプログラムコンサート>

<修道院での音楽キャンプ>

7月初旬に、4泊5日の「Campus Musicaleo音楽キャンプ」に参加しました。主宰者はモデナのオーケストラの代表で、以前はモデナ近郊の避暑地で開催されてましたが、近年はコロナのため中止で昨年から再開。

私も暫く参加していませんでしたが、今回はギターで申し込みました。ミラノオケの誰かギター弾く人を誘って欲しいと依頼があり、私はオケの若いアルゼンチン女性のギター奏者ブレンダを誘いましたら、喜んで参加したということで2人で参加することに。

場所は、ブレイシャ県にあるBiennoというのどかな美しい小高い山の上にある、修道院。マンドリンマエストラの西山さんが昨年ここでコンサートをしたときに、宿泊施設併設のこの場所を良いと思ったそうです。ミラノからはモデナより近いですし、いや本当に静かで籠って音楽合宿には最適な環境でした。音出しがOKですから。何しろ涼しい! 費用も3食付きなのにかなり安価で嬉しい。

私は殆どの参加者とギターのマエストロも旧知の仲で、再会して本当に嬉しかったです。ギターのマエストロのロベルトは優しい温かい人柄で、いつか習いたいと思っていたので、願いが叶い合宿が楽しみでした。

プログラムは毎日朝8:30から始まり、ウォーミングアップ・個人レッスン、午後から個人レッスンと続き、グループレッスン、オーケストラ演奏、夕食後はセミナー。マエストロ達のコンサート、早朝には日の出コンサートもあり盛り沢山。

実は当初、修道院と聞いてもしかしたら食事にはワインはついてこないかもと心配してました(^^;;)。しかし、その不安を裏切り、なんと昼夜とも沢山のワインがテーブルの上にあるではありませんか! ワイン大好きの友人ブレンダも大喜び。赤・白・発泡性ワインもあり、これで楽しめる合宿となりました。私とブレンダは、毎食最後までワインを飲んでおり、他の参加者は食事終わると早々に引き上げ、練習に向かってました。彼女が居てよかった。

そして最終日は発表会があり、人前でギター弾くのが初めての私は、独奏するかしないか迷いました。マンドリンでは慣れてるのですが、ギターでは絶対にかなりあがるだろうと。マエストロは「一緒に弾こうか?」とかも言ってくれたのですが、そんな恥ずかしいことは、したくなく思い切って弾くことにしました。

マエストロは大喜び。それもなんと私は一番手を選びました。何故なら、一番目は初心者が普通で、そのあと中級・上級と進むし、最初に弾いてしまえば比較されないしと思い。これは正解でしたね。

さて当日名前を呼ばれ、所定の位置につくと、マエストロからの紹介があり、一応人前でギター弾くのが私は初めてと話してくれました。実際、あがっておりましたが、なんとかコントロールできそうだと思い、最初の和音を弾き、幸いテンポが緩い曲なので、慌てず慎重に楽譜通りに進み、時折音間違えても、表情出さずにそのまま進むことにしました。よほどの狂いでなければ、聴衆は普通わかりませんから。そんなことも結構大事で、身についたなあと思うと、あがってもコントロール出来ることがわかり収穫でしたね。

最後の和音は慎重に、エンディングして無事終了。拍手いただき、ホッとしました。マンドリン友人のブルーノから「Yumoko, sei brava!」と言ってくれ嬉しかったですね。彼もギター多少弾くから、クラッシックギター独奏の難しさは理解してると思います。クァルテットも上手くいき(グループ演奏は得意)、オーケストラのギター演奏も
まずまずで全て終了して、解散してCampus Musicaleは終了しました。

このキャンプには、私が最近参加始めた新しいオーケストラの音楽ディレクターが参加しており、このオケは面白いと話したら、直談判して入団を決めてました。彼女はこのキャンプに参加して本当に楽しかったし、来年も是非来たいと言ってます。私も誘ってよかったなあとつくづく思いました。色々なチャンスや出来事が増えました。

<オケ友人宅の夕食に招待される>

だいぶ前から、ミラノオケの友人から何人かの彼女の親しい友人と私を夕食に誘いたいと話しがありました。日程決まり、私は少し早めに行きました。というのは手伝うことあるかな?という気持ちがありましたので。ですが、浴衣を着ていくことにしました。彼女が着物好きだから。

初めての家は勝手がわからず、結局お手伝い出来ませんでしたが。したくても難しいと思いましたね。キッチンのことも、テーブルセッティングもイタリア人の流儀は異なるし。

参ったのは、エアコンないので暑いのです。扇風機もない。。驚いたのは私が着いてインターフォン鳴らすも、彼女は不在で私をあまり認識してないご主人が出て、いきなり
切られました。彼女に電話するも、今スーパーに来ていてもうすぐ帰るからと。

私はなんとかご主人に入れて貰え、帰宅した彼女は両手に沢山の食材が。その時スーパーでその夜の夕食の調達をしていたのです。あり得ない! 日本人なら前日から仕込み、当日はほぼ終えてるはずですし、一緒に席に着いて歓談しますし。

結果的に彼女はホストですが、殆どキッチンで調理しサーブするという状態。席には着きませんでした。そして、その夜は嵐になり風も強くなり、彼女はベランダ側の扉
を閉めました。エアコンもなく、締め切った暑い室内!私は実際熱中症になりそうでした。しかし、誰も暑いも言わないし、汗もかいていないのです。私はびしょびしょ。。

そしてその夕食のハイライトとなりました。彼女はその部屋にある暖炉に火をつけオイルの入ったフライパンを持って、その火の中に置いたのです!私は思わず「何するの?」と聞いたら、小魚(子イワシ)に小麦粉をつけて揚げ始めたのです。締め切った室内、暖炉の火で揚げ物→想像絶する光景でした。

どうしてこうするのか聞いたら、「こうやって揚げるとおいしいからよ」。。。皆も美味しい美味しいと言ってました。私は我慢できずに扉を開けました。もう限界。誰もこの暑さについては、言いませんというか、暑くないのか?イタリア人はそういうDNAなのか?

最後のデザートが配られ口にすると、カステラの上に多分自作のカスタード掛け、なんとそれが温かいクリーム。あ~ジェラートだったらどんなに幸せだったろうか。最後に、窓開けている夜は蚊が沢山室内に。。ベープマットがあるはずもなく。イタリア人蚊は気にしない人多いみたい。あ、居るな程度。

土砂降りの雨がようやく収まり、すでに23:30。やっとお開きになり、長い挨拶を終え、涼しい外に出たとき、あ~これで家に帰れると。やれやれです。凄い経験でしたね。夜遅いのは周知の事ですが、この暑い夕食会はこれで終わりにしたい
とつくづく思いました。

<ミラノの図書館中庭での新しいプログラムコンサート>

その時期はいきなり雨が降る日が多く、この外でのコンサートの天候は心配でしたが幸い☀予報でホットしました。

この新しいプログラムは今年の春からスタートし、私はその時期イタリアに居りませんでしたので初めての経験でした。練習は1回のみで、やや不安な状態での本番を迎えることに。

以前Stramilanoというミラノの昔をミラノ弁で語る劇の伴奏をしましたが、それとやや似たミラノに関する劇と二人の歌手のソロとその伴奏というものです。ミラノ弁もややありましたが割とわかりやすい現代バージョン版です。

ミラノオケの指揮者がベースギター、ギタートップがエレキギターという異色の演奏もあり、私は気に入りましたし、男女の歌手がとても上手くて曲に引き込まれました。
観客は大笑いする場面や、聴き惚れる様子もあり、また今回ミラノの代表新聞にも掲載されたこともあり、Sold Outでした!

満席の観客の前でワクワクしつつ、譜面は簡単ですが複雑な進行なため、慎重に弾きました。隣の友人Cesareも合図を送ってくれて、無事間違えずに演奏終了。

私は友人を誘ったのですが、都合が悪く誰も来れなかったので残念です。とても楽しいプログラムです。また、9月にもあるようです。期待したいですね。