今回は、2022年に生誕100年を迎えるピエル=パオロ・パゾリーニ(1922年3月5日 – 1975年11月2日)を取り上げます。パゾリーニといえば、『最高の青春』や『グラムシの遺骸』などで知られる詩人であり、『生命ある若者』『アッカトーネ』などを書いた小説家でもありますが、ぼくにとってはなんといっても映画監督です。 最初にその映画のタイトルを聞いたのは、『ソドムの市』(1975)や『アラビアンナイト』(1974)なのですが、当時は中学生でしたから、さすがに見たのはずっと後のこと。なんだか、みんなが騒いでいるのだけれど、どこが面白いのだろうと思っていました。 イタリア語を学んで、少し映画のことをかじるようになると、パゾリーニの名前が何度も登場することになります。最初はナンニ・モレッティの『親愛なる日記』(1993)だったでしょうか。ヴェスパに乗ったモレッティが、オスティアでパゾリーニが惨殺された場所にあるモニュメントを尋ねたシーンが印象的でしたが、パゾリーニ本人の映画にはなかなか近づくことができませんでした。 ちゃんと見てみたいと思ったのはマルコ・トゥリオ・ジョルダーナの『輝ける青春』(2003)や『ペッピーノの百歩』(2000)を観たときでしょうか。じつは、どちらの作品もパゾリーニの影響を強く受けた作品だということがわかったとき、なんだか手がかりのようなものが掴めた気がしたのです。 そして、なんといってもフェリーニの作品を見直したときのことです。ぼくは『フェリーニ、映画と人生』という評伝を訳したのですが、そのときこのリミニの巨匠の初期の作品に、パゾリーニが大きく関係していたことを知ったのです。そうか、パゾリーニはフェリーニの映画にある種の憧れを抱いていたのか、そう思った時、パッと扉がひらいたような気がします。それまで、よくわからなかったパゾリーニの作品が、少しだけ身近のものに感じられるようになったのです。 今回の特別セミナーでは、そんな「ぼくにとってのパゾリーニ」を話してみたいと思います。さて、どんな話になりますやら。乞うご期待。 | |
講 師:押場 靖志(日伊協会イタリア語講座主任) 日 時:2022年2月18日(金) 時 間:19:00 – 20:30 形 式:オンライン配信 受講料:会員3,000円 受講生・一般3,500円 | |
※新型コロナウィルスの感染拡大状況を鑑み、開催形式を「対面&オンライン配信」より「オンライン配信」のみに変更致しました。 ご欠席の場合は、事前にご連絡いただければ、録画データを後日配信いたします。 | |
<講師プロフィール> 押場 靖志 (おしば やすじ) 日伊協会イタリア語講座主任。学習院大学、法政大学講師。東京外国語大学大学イタリア語科卒、同大学院地域研究研究科修了。ナポリ東洋大学に留学。元NHKテレビイタリア語講師。訳書に『マストロヤンニ自伝』(小学館)、『フェリーニ、映画と人生』(白水社)などがある。 |
申込名 | 日時 | 時間 | 参加費 | 申込 | 備考 | |
OS-C-Pk | 2022年2月18日(金) | 19:00~ 20:30 | 会員 | 3,000円 | 終了 | |
OS-C-P | 受講生 /一般 | 3,500円 | 終了 | |||
OS-C-Ps | 学生 /25歳以下 | 1,000円 | 終了 |
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