イタリア・ルネサンス-―この言葉の永遠の輝きは、それが生み出した数々の芸術作品・文芸作品のなかにのみあるのではありません。 中世から近世にかけての時代の荒波のなか、古さと新しさを織り交ぜながら新たな発想と精神をもって自らの個性を発揮していく興味深い人物が数多く現れるのもルネサンスの魅力の一つです。 このセミナーでは、ジェノヴァ、フィレンツェ、ローマ等を舞台に、各講師が最新の研究成果をベースにこの激動の時代を生きた人々の生き様をわかりやすく語ります。 人物たちの行動様式から、それぞれの「ルネサンス」を感じて楽しんでください。 | ||||||||||||||||
第4回 ルネサンス教皇列伝 ルネサンスを語るうえで、ローマ教皇の存在を無視するわけにはいきません。彼らはボッティチェッリ、ラファエッロ、ミケランジェロなど名だたる芸術家のパトロンとしてイタリア・ルネサンスの隆盛を支え、都市ローマの修復にも注力しましたが、他方で贖宥状を売りさばいたり自ら戦場に出向いたりなど、「聖なる教会の長」という教皇像からはかけ離れた挿話でも知られています。 この時期、教皇はなぜかくも世俗的だったのか。そしてなぜ、ルネサンスの担い手たちを厚遇したのか。これらの問いを解くためには、中世末期における教会の変容に着目し、そのうえでルネサンス精神と教皇との関係を丹念にみていく必要があります。この講演では、15世紀前後の教会史の文脈にルネサンス教皇の事績を位置づけることにより、中世から近世へ大きく転換をとげるイタリアとヨーロッパにおいて彼らが果たした役割を明らかにしていきます。 | ||||||||||||||||
<講師プロフィール> 藤崎 衛(ふじさき まもる) 茨城大学准教授。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。イタリア政府給費留学生としてローマ大学サピエンツァ校に留学。専門は中世のローマ教皇庁研究。著書に『中世教皇庁の成立と展開』(八坂書房、地中海学会ヘレンド賞)、『ヴァチカン物語』(新潮社、共著)、訳書に『中世教皇史』(八坂書房)、『女教皇ヨハンナ』(三元社)がある。
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引き続き、以下の日程(時間帯・受講料・会場は本セミナーに同じ)、テーマで開催いたします。
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