第4回 ローマ社会における「パンとサーカス」 |
平和と繁栄のなかでローマ帝国の民衆はこの世の娯楽に興じてわれを忘れた。諷刺詩人ユウェナリスはため息まじりで揶揄する。 「かつて権力や権威や軍事などのすべてに力を注いでいた市民たちも、今では萎縮して、たった二つのことばかりを気にもんでいる。パンとサーカスだけを」この言葉の含蓄について平和と繁栄の典型である世界帝国の社会のなかで考えることは、人類史のコンテキストとしても大きな意味をもつことではないだろうか。 |
講師紹介:■本村 凌二(もとむら りょうじ) 東京大学名誉教授、早稲田大学国際教養学部特任教授、博士(文学)。1947年熊本県生まれ。1973年一橋大学社会学部卒業、1980年東京大学大学院人文科学研究科修了。東京大学教養学部教授、同大学院総合文化研究科教授を経て、現職。専門は古代ローマ史。『薄闇のローマ世界』でサントリー学芸賞、『馬の世界史』でJRA賞馬事文化賞、一連の業績にて地中海学会賞を受賞。著作に『多神教と一神教』『愛欲のローマ史』『はじめて読む人のローマ史1200年』など。 |
申込名 | 開催日 | 時間 | 会場 | 参加費 | 備考 | |
S-SF4 | 6/22(水) | 18:30–20:00 | 青山 石川記念 ルーム 201 | 一般/受講生 | 3,000 | 終了 |
日伊協会会員 | 2,000 |