11月25日(月)、イタリア料理研究家であり、自ら中目黒のリストランテ カシーナ カナミッラのオーナーでもある長本和子先生をお招きし、イタリア料理に欠かすことができないイタリア野菜をキーワードに、イタリア食文化の奥深さを味わえるひとときを過ごしました。
そもそもイタリア料理は金持ちの為のクチーナリッカ(Cucina ricca)と一般庶民の為のクチーナポ-ヴェラ(Cucina povera)に分かれ、イタリア野菜こそがクチーナポーヴェラの特徴であることから始まり、イタリア野菜がイタリア料理の中で担っている存在、役割についてわかりやすくお話いただきました。腹持ちがよく、自然から材料を調達できるイタリア野菜は、その土壌に育まれ、マンマによってその土地・その季節にとれる野菜を愛する家族のために多用されてきたものです。
イタリア料理に野菜が欠かせないことは、イタリアンのシェフたちがバイブルとしていると言われる「イタリア郷土料理集」(総レシピ数2,174)という中にも、パスタや肉料理と並んで、”野菜料理”のカテゴリーがあることからも証明されています。(ちなみに長本先生は現在そのおよそ70%を翻訳済みとの事です。)
また、イタリア野菜はとても地方性に富んでおり、例えば同じラディッキオと言ってもそれぞれに町の名が付いたものがあることなどを、長本和子先生ご自身が各地を周り地元の人々と交流しながら集められたたくさんの写真と共にお話いただきました。
最近ではレストランに卸すといった需要から、イタリア野菜を育てる取り組みも日本各地で始まっている事、その活動の内容についても触れていただきました。もちろん、長本先生の中目黒のお店「カシーナ カナミッラ」ではそのイタリア野菜を中心としたコースも人気とのことでした。
次回イタリア行きをご計画の際は、その時期にしか食せない「野菜料理」を求めての旅も楽しいかも知れません。
たくさんの貴重なお写真と、イタリア野菜、ひいてはイタリアをこよなく愛する長本先生の楽しいお話は、是非また続編をとの声も多く頂きました。
本当にありがとうございました。