15日から日本で「新聞週間」が始まった。そこで本日はイタリアの新聞事情をお伝えしたい。
イタリア新聞発行社協会によると、2010年1月現在で全国57紙の総販売部数(発行部数ではない)は1日当たり約425万部という。“新聞王国”日本の1日当たり公称発行部数の10分の1以下となっている。
販売部数最大の新聞は、ミラノに本社のある1876年創刊の名門紙コリエレ・デラ・セラの52万部。1976年創刊と歴史は新しいものの、ローマに本社を置く左派系のレプブリカ紙の約45万部がそれに次ぐ。
3番目は1867年に創刊され、トリノに本拠地を構える中立系のスタンパ紙の約28万部。4番目がこれも140年の歴史を誇るローマの地元紙メッサジェロの約20万部と続く。
専門紙としては、1896年に創刊され、現在イタリア一の読者数を誇るスポーツ紙ガゼッタ・デッロ・スポルト(33万部)や、1965年創刊で27万部のイタリア経団連所有の経済紙ソレ24オレなどがある。
イタリア共産党創立者グラムシが1924年に創刊し党機関紙として国際的に有名だった「ルニタ」は、現在は政党とは関係なく部数も僅か5万部強と昔日の面影は全くない。
坂本鉄男
(10月16日『産経新聞』外信コラム「イタリア便り」より、許可を得て転載)