イタリア三大詩人と言えばダンテ、ペトラルカ、ボッカッチョですが、その作品には文学のジャンルを超えた深い魅力があります。今回のセミナーでは、美術・音楽・演劇など多様な視点から三大詩人の魅力を探ります。
1回目は、イタリア演劇が専門の高田和文先生による総論です。ウィリアム・ブレイクとギュスターヴ・ドレの挿絵や永井豪のマンガを題材に、ダンテ『神曲』の持つドラマ性を明らかにします。また、ルネサンス後期に数多くのマドリガーレ(世俗歌曲)に用いられたペトラルカの抒情詩と音楽の関係、さらに現代においてパゾリーニ監督が映画化した『デカメロン』を通してボッカッチョの風刺精神について解説します。
2回目は、ジョバンニ・ピアッザ氏と浅川理恵氏による実演編。ピアッザ氏は、ヴェネツィアの有名な仮面即興喜劇の劇団『アヴォガリア』を日本に招聘し、パンタローネの役でも出演しました。その彼がダンテ『神曲』の有名な一節とペトラルカの抒情詩を朗読します。文字で読むのとは違う詩の音の魅力を感じ取っていただけるはずです。また、『デカメロン』の一話を題材にした音楽劇『マゼット』の舞台を映像で紹介し、ボッカッチョの演劇としての魅力を知っていただきます。いずれも、日本語の字幕と解説付きですので、どなたでもご参加可能です。