<イタリアコロナ事情>
北イタリア日本人会会報
グリーンパス反対デモが激化しています。感染状況は他の主要なヨーロッパ諸国と比較して安定はしていますが、最近はやや感染増加の傾向が見られる。
感染者増加:4000~5000
保健省では、低い推移の陽性率・重症者病床率・一般病床率など病院が落ち着いている状況から、まだ警笛を鳴らす状況ではないとしています。
*ワクチン接種
・12歳以上の対象接種率は、現在83%を超えているが、ここにきて伸びが鈍化。 90%に上げたいようだが、時間がかかる見込み。・感染者がやや増えている医療関係者、ハイリスク者や高齢者の3回目接種も推し進め ている。接種後長く経過している人は、効果が下がっているため注意必要との見解。
*インフルエンザ予防接種
・昨シーズンのように不足はないようで、65歳以上の高齢者やハイリスク者は、無料 接種可能で、コロナワクチンとの同時接種を行っているところもある。オンライン
申し込みも予定。該当しない人は有料で接種可能。
—————————————————————————–
<三夜連続コンサート>
10月22日から三連夜、ミラノの市内Duomo近くにある小さなスカラ座と呼ばれるホールでミラノオーケストラのコンサートがあり、連夜演奏に参加しました。
実は今回コンサート2週間前に、指揮者から私ともう一人の1stのメンバー(以前2nd)に、2ndで全曲弾いてほしいと頼まれました。「えっ全曲?!」アンコール曲含め15曲
あり慌てて、譜面を用意して以前にも増して練習しました。
今回は2ndトップの左でサブを務めるので、指揮者の目の前で音も演奏も観客から丸見えのポジション。まして新曲が7曲もあり、大変でした。いつもは後ろの列で見えないポジションでしたから、リラックスして弾いてました。
そのホールは「ミニスカラ座」と呼ばれるように、舞台は狭くて余裕なく、斜めに重なる並び方で、身動き出来ない狭さ。その上譜面台を私とトップは二人で1台しか
置けず、私は自分の譜面を諦めて彼の譜面で演奏するという厳しい選択でした。自分の譜面には、注意書きと運指が書かれており、それが見られなかったのですが
仕方ありません。
良かったことは、トップはきめ細やかでプログラム通りキチンと譜面を並べており(これ出来てないメンバーが結構居る),注意点も書いてあり、事前に私に小さな声で
言ってくれたりと、安心出来ました。彼は、2年前からミラノの音楽院のマンドリン科に通って専門的に音楽も勉強していて、信頼できる奏者です。
その隣で弾くので、今回はかなり集中して注意しながら、彼の音を聞いて細かい点を探りながら、オーケストラの全体音を意識して演奏しました。今回は合間に休憩がないので、約1時間半連続の演奏は、頭が酸欠になりそうでした。
観客の反応は3日間それぞれ異なりましたが、2日間はお互いのテンションが揃い上手く共有できて、アンコールも2曲演奏し、久しぶりの高揚できた舞台となりました。これがなかった1年間でしたから。その喜びは体全体を駆け巡りました。このために私はイタリアにいると感じた瞬間でした。
<クーネオの栗祭り>
数年前から2回トリノの友人と行ってました栗のお祭りです。昨年は当然コロナの為に中止でした。今年は友人から開催と聞き、30Lのリュックと手提げ袋も持参して臨みました。
幸いまあまあのお天気でした。今回はトリノの友人の友人2人が一緒でした。現地に着くと、やはりコロナの影響で規模は小さく、お店は広場の中央だけでの開催でした。そして、全店舗を巡り予定の商品の有無と良し悪しを品定めして巡りました。
残念だったのは、marrone(マロングラッセ用の大きな栗)が、天候不順のため不作で全くなかったこと。でも、良い栗に出会えて1kをゲットしました。他に栗入りのパネットーネ、マロングラッセ、シロップ漬け、その他の食品を写真のように大量購入。友人達は呆れてましたが、ミラノにはない上等の栗と商品に満足でした。
帰宅してからは1週間は食材と格闘でした。まず栗は75個あり、すべて剥きまずは栗ご飯。残りは甘く煮て、その一部で栗のケーキを作り残りは冷凍。他の食材でも色々試して、かなり楽しめました。
<拾得物の扱い>
通りかかった女性にどうしたら良いか尋ねると、(当然ですが)警察に行きなさいと言われました。ある建物の清掃していた女性に尋ねて、近くにあるCarabinieri(警察の一つ)を教えてもらい、行きました。
入り口で一部始終を伝え30分待ち、現れた担当官に連れられて奥の部屋に通されました。あ~時間かかるだろうなあと思いつつ、しかしその日自分の身分証明書を携帯していないこと(コピーしか携帯してない)に気づき、言うと当然の如く注意を受けました。常に携帯していないといけないと。。。やはりです。
すると、担当官はどうしたかというと、改めて午後13時過ぎに来るようにと言いながらその拾得物の携帯電話を私に手渡しました。「?」。。更に私の名前も住所・電話番号も聞かず記録もせず、一緒に入り口に戻りながら「もし、持ち主からの電話を受けたら、午後ここに来ることを伝えるように」とも言いました。
私はどうしたものか考えながら、家に戻るとその携帯電話が鳴り、持ち主の家族という方と話をすることが出来ました。一応事情を話して警察の前で待ち合わせ、不安と
嬉しさに満ちて駆け付けた若いお母さんと会いました。
彼女に実際私は警察に届け出は出来なかった旨を話し、そのまま手渡しすることで合意しました。そりゃそうですね、時間かかるし。お礼に可愛い花束を頂きました。
携帯電話は大事なものですから、午前中がすっかり潰れてしまいましたが、良い事をしたので満足でした。この話を友人にしたら、「携帯電話の落とし物を警察に届ける
なんてイタリア人はいないわよ!」と言われました。。
それから1週間後、私のある友人がいつもの散歩道ナビリオ運河沿いで「財布」を拾いました。200ユーロの現金、数枚のクレジットカード、身分証明書に本人のものらしい何枚かの名刺入り。。彼女も見えるようにその財布を手に持ち、運河を歩いたそうですが、声はかけられずに家に戻って、その名刺の番号に電話して、いくつかの質問をして本人と判断。その方はすでにミラノを離れて車で高速のインターチェンジで降りてカフェしようとして財布がないことに気づいた時に電話が鳴り、goodタイミングだったそうです。。
当然持ち主はミラノに戻り、友人は身分証明書の写真と本人と見比べ尋問して手渡ししたとのこと。お礼はどうしたら良いのか?の問いに、友人は「次回ミラノに来たら、
ランチでも」と言ったそうです。
私の話も友人にしていたので、二人で拾得物なんて偶然な出来事と思いました。親切な日本人二人、きっと良いことがあるでしょう!