(2021年度連続文化セミナー)
長本和子のイタリア料理探求
La Cucina Italiana come cultura Season2

イタリア料理研究家長本和子が、深淵なるイタリア料理の世界にご案内します。

「イタリア料理は郷土料理の集合体」という言葉がありますが、それを知るには州ごとの料理を覚えたり途方もない時間がかかりそうです。

このセミナーリオは「歴史という縦軸」と「郷土という横軸」からイタリア料理を理論的に解説し、次にもう一歩進んだ「文化としてのイタリア料理」をお聴きいただく、知的好奇心あふれたものです。料理を読み取る目を養ってイタリアを旅行すると、きっと数倍楽しくなりますよ。

第4回目　「シチリア」 7月22日(木)　20：00～21：30
シチリアはただの島ではありません。食文化も食材もここを通ってイタリアに入ってきたのです。シチリアの食に影響を与えたのは、紀元前8世紀に移住してきた古代ギリシャ人と9世紀にやってきたアラブ人。彼らが何を持って来たのか、そして何を置いて行ったのか。それを探ると今のシチリア料理が見えてきます。

第5回　「カラブリアとバジリカータ」 8月19日(木)　20：00～21：30
歴史の中に忘れ去られたようなこの二つの州には、ここならではの食材が沢山あります。その一つが唐辛子。コロンブスが持って来た食材がこの地域でだけ特別に花開き、「ロザマリーナ＝シラスの唐辛子漬け」「ンドゥーヤ＝豚肉と唐辛子の加工肉」「唐辛子のジャム」などの特産品を生みました。その理由を探ってみましょう。

第6回　「プーリア」 9月23日(木)　20：00～21：30
イタリア第二の平野があるこの州では、ブドウやオリーヴの栽培が盛んです。これらを持って来たのが古代ギリシャ人たち。さらにその末裔たちが古代ギリシャ語を使いながら生活している村が残っているのです。そこでは、2500年前の料理がいまだに食べられています。古代ギリシャが、今に与えた影響を読み取ってみましょう。

＜講師プロフィール＞

長本和子　NAGAMOTO Kazuko
イタリア料理研究家　劇団青年座在籍当時イタリアに魅せられ、イタリアのホテル学校に留学。その後料理通訳などを経て、プロ向けイタリア料理・ソムリエ現地研修を企画する会社を設立。卒業生は450人ほどになり、日本各地で活躍している。現在は料理を通してイタリア食文化を紹介している。料理教室「マンマのイタリア食堂」主宰。日本イタリア料理協会機関紙「ACCI」元編集長。日伊協会常務理事。著書「イタリア野菜のABC」「シチリア海と大地の味」（文化出版局）他。日本ソムリエ協会機関紙sommelier誌に「パスタの方程式」、日伊協会広報誌「Cronaca」に「イタリア・食の万華鏡　皿の向こうに何かが見える」、「イタリア好き」に小説連載中。

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