<夏バカンス編>
イタリア及びヨーロッパのバカンスの過ごし方は、良く知られているとは思いますが、7月~8月の間長い休みを取る習慣です。仕事をしている人は、約2週間の休みを2回に分けて取る傾向があります。他は海や山でず~っと何もしないで?休みます。
さて、私は日本人でそんな長い休暇で旅行等出来る身分ではありませんから、日帰りや数泊の旅行で我慢しております。イタリア人大好きな海は暑くて苦手なので、涼しい山に逃げるのが一番過ごしやすいと感じております。今回この夏、友人と日帰りで出掛けた話題です。
*マントヴァ湖の沼地自然ウォッチング:Valli del Mincio(ポー川の沼地)
ブレイシャの隣にあるマントヴァは、3つの湖に囲まれた歴史ある美しい街です。その北のエリアにある湿地帯から、小さな船での自然ウォッチングツアーに参加しました。マントヴァの街近くからの乗船は大きな船ですが、ここ”Grazie di Curtatone” の船着き場からは小ぶりの船で、その日は私達3人と一組のイタリア人夫婦のみのプライぺート周遊でした。
自然溢れるその景色と静けさの中、沼地には様々な植物や沢山の鳥たちが生息しており、自然ウォッチングが楽しめました。驚いたのはアジアから持ち込まれたという、蓮の花の群生が見られたことです。その広い群生は見事で、私の生まれた東京の「不忍池の蓮池」を思い起こさせました。
船はゆっくりと進み、幸い少ない人数のため操縦ガイドの方は、沢山の説明とお喋りで、私達と会話を楽しみながら、のんびりとしたひとときでした。
URL:http://www.fiumemincio.it/proposte.htm
ランチは船のガイドさんに聞いた、近くにあるアグリーツリズモが経営するレストランで。なんと飲み物(ワイン・水)込でたった€10+カフェ。新鮮な野菜の前菜取り放題、有名なカボチャ味のパスタ、コールドビーフを頂けました。(超満足!)やはりイタリアの地方は、郊外のアグリートリズモのレストランが安くて新鮮な食材で、ワインも魅力です。市内とはかなりの差です。
*San Benedetto Po:マントヴァ県にある町
昼食後に、サン・ベネデット・ポーにある有名な教会と博物館を見学しました。教会広場には、毎年8月14~15日に行われるお祭りでアーティストが集まり、2日間で仕上げるコンクールで描かれた、道路のアートを見ることが出来ました。細かい仕上げには驚きました。
見学は、幸い既に到着していた5~6人と合流してスタート。ガイドは全てボランティアだそうです。見応えある内容で、約1.5時間以上かかりました。熱のこもった案内でさすが地元のボランティアです。全部聞き取るのは大変でした。
中は広く、様々な歴史とその文化に触れ、終わったときはもう夕暮れ。とはいえ夏ですからまだまだ15時位のようでしたが。
*52のトンネルがあるパスビオ山へのハイキング:Strada delle 52 gallerie al Pasubio
友人のご主人がかねてから行きたがっていたという、オーストリアとの戦時中に、山の中に砦を作り物資を運ぶために掘られたという52もの興味深いトンネルが、ハイキングの目玉になっています。
約1200m地点にパーキングをして、そこから1950mの高さにある山小屋まで52のトンネルを通過して登りました。
1200m地点でもう涼しく、これから始まるトンネル通過はどんなものなのか?皆期待を膨らませてスタートしました。8月20日は過ぎており、平日にも関わらず、駐車場は満杯。その人気を物語っている光景でした。若者・家族連れ(幼い子供もパパが背負って)・熟年グループと老若男女がそこに参加していました。
山道はとても広く整備されていて歩き易く、感心しました。しかしトンネル内は涼しいですが、当然ライトを点灯しながら登ります。かなり険しく、濡れていて滑る場所もあり神経を使いました。
トンネル内には、物資を保管した所や大砲が残置されていたり、その歴史を物語る場面が色々ありました。兎も角結構長い道のりで、まあゆっくり楽しみながら、トンネルの数を見ながら約3.5hで最後のトンネルを通過して、山小屋を見下ろした時は達成感を味わいました。
山小屋には沢山の人々で賑わっており、私達も冷たいビールと下山のエネルギー補給に肉をタップリと頂きました。
下山はトンネルを下る勇気はないので、だらだらの高度差ない尾根道をひたすら下り、約2.5hで無事出発地点の駐車場に着きました。この日はなんと27000歩・18kを歩きました。2日後に疲れが来ました。。
URL:https://www.magicoveneto.it/Pasubio/Pasubio/Strada-delle-52-Gallerie-del-Pasubio-Rifugio-Papa.htm
*グランパラディーゾのコーニュへの日帰りハイキング
トリノのある友人が、今年7月に叔母様とその友人とマッターホルンや、ドロミテ渓谷のハイキング旅行に同行・案内したことがきっかけで、山が大好きになり、是非私と山に行きたいと連絡がありました。
その友人は仕事をしているので、結局天候とスケジュールの都合により、日帰りハイクをアオスタ近くにある「グランパラディーゾ国立公園内のコーニュ」ですることになりました。
コーニュは日本のサイトでも知られた、モンブラン等の壮大な山々が町の中央から一日中見渡せる素晴らしいロケーションです。幸い好天に恵まれましたが、私はミラノから長距離バスで2.5h、友人はトリノから1.5hで待ち合わせはアオスタのバスターミナル。しかし、友人のバスは40分も出発が遅れ(?)、コーニュへの乗り継ぎバスは二人の到着時間には間に合わずで、結局お昼頃に到着しました。
まあ、この日は二人のハイクは初めてでしたし、のんびりと高度差ない楽なコースで限られた時間内での歩きを選びました。目的地はLillazという小さな村を通過し、その先にある、2つの滝を目指しました。
山道は色々あり、道標も沢山ありレベルにより幾つかのコースが分かれていました。晴天でしたので、陽が降り注ぐ道は避け、やや山側の低いコースを森林のエキスを浴びながら、涼しく気分よく歩いて滝に1.5で到着。行きの山中では、殆ど誰とも会いませんでした。大抵は車で滝近くまで行くようでした。もったいないですねえ、素晴らしい自然のエキス満載なのにハイクしないのは。。。
滝は美しく清らかな水流で、まさにエアーシャワーのようでした。持参したオニギリのお弁当を食べ(山はオニギリが最高ですね)、涼んでから町まで帰途に着きました。帰りのバスまで時間を残してありましたので、二人でアペリティーボ。もうこれがたまりません。日本だとビールとお蕎麦ですが、イタリアではやはり冷たいワインでアペリティーボでしょうか?
二人で来年は是非フランス側にある「クールマイヨール」の山小屋に泊まり、シャモニーまで連なるコースをケーブルやリフトを乗り継いで、ハイク三昧しようと計画を話し合いました。その計画を指標に体を鍛えねばと確信した一日でした。