10月14日(日)に、ミラノのテアートロ・フィロドランマティチで北イタリア日本人会主催の親睦音楽会にブレイシャのマンドリンアン・サンブルとして出演しました。2015年に初めてマンドリン・クインテットで演奏して以来です。今年の5月のミラノで「5月のコンサート」をプロデュースされたアソシエイツ・ノットゥルノさんから、是非と誘われ出演に至りました。例年はカーザ・ヴェルディのホールで開催でしたが、今回はミラノ・スカラ座のすぐ近くで客席200程の可愛い劇場で行われました。
プログラムの中心は、イタリアで活動されている主にオペラ歌手とピアニストの方々で、一部にピアノソロやイタリア人演奏家の器楽演奏もありました。私達ブレイシャのマンドリン・ギター・アンサンブル「アルモニエ・イン・ピッツィコ」は二部の最終演奏でした。歌が多い中、器楽演奏は少なかったせいもあり、2曲演奏しましたが聴衆の方はとても喜んで下さいました。いつもマンドリン演奏は初めて聴いたという方々は多いですね。
ミラノで演奏する機会はそうはありませんから、この機会を提供してくださった日本人会とアソシエイツ・ノットゥルノさんに感謝いたします。
10月20日(土)にミラノ・マンドリン・オーケストラ主催で、ミラノ・マンドリン・インターナショナル・フェスティバルがスフォルツァ城近くのテアートロ・ダル・ヴェルメで開催されました。
出演オーケーストラは、ミラノ・タオルミーナ・バルセロナの3つです。この劇場はイタリアでは、収容1400名の大きいホールで集客が心配されましたが、メンバーの努力、
またラジオ局の告知インタビュー出演などで頑張りました。
このフェスティバルは、シチリアのタオルミーナ・オーケストラで参加しているあるご家族の提案であったことを知りました。ミラノオーケストラで演奏参加しているあるカップルがタオルミーナ出身で、そこでもメンバーとして演奏活動をしています。更にその青年のお父様とお母様がギターとマンドリンでそのオーケストラに参加しています。
そして青年の妹さんが、スペインのバルセロナ在住でバルセロナのマンドリンオーケストラで演奏活動をしているのです。正に音楽家族です。
このことから、私がイタリアに来る何年か前からそれぞれの町、タオルミーナとバルセロナでの合同演奏会を行い、そして今回最終ミラノでの共演となったのです。このご家族のマンドリン演奏への熱い思いが、この3つの異なる町、タオルミーナ・バルセロナ・ミラノを繋いでマンドリンフェスティバルが実現したという訳です。
各オーケストラが4曲位、合同演奏は3曲をそれぞれの指揮者の振りで演奏しました。当日午前中のリハーサルで参加した時に、バルセロナとタオルミーナ多彩なプログラムを知り、このコンサートに誘った友人達に慌てて再度情報を送りました。彼らはオペラ歌手との共演があり、曲目もそれぞれの地域の特色ある内容でした。これなら友人達も楽しんでくれるかと。
何しろ日本と異なり、各オーケストラのプログラムの曲目を知ったのが12日前で、プログラムが出来たのが4~5日前でした。当日は満員とは行きませんでしたが、6割は埋まった客席からの熱い視線と期待、それぞれ演奏が終わる度に盛り上がる雰囲気に私も心が躍りました。最終の合同演奏は最高調でした。やはりマンドリンは大人数の方が魅力あると感じました。
日本では余り、複数のオーケストラで共演するコンサートは殆どないように思います。ブレイシャのアルモニエ・イン・ピッチコのプレジデントは、ブレイシャでのマンドリン・フェスティバルをやりたい意志があり、これもいつか実現出来ると良いなあと思います。
10月21日~24日まで、トリノで開催されている「ジャパン・ウィーク」に、ミラノで着物の着付けやレンタル・イベント企画をしている友人がヘルプすると聞き、見に行きました。
そこにはいくつか日本の伝統工芸を紹介・展示しているのですが、今年日伊協会さんが夏のイタリア人留学生の日本語講座で、日本文化紹介の一つで和裁講座をされた岩本和裁さんがこのジャパン・ウィークに出展され、私の友人がバックアップすることになりました。
このイベントはトリノ東洋美術館で開催されており、入場料が無料とのことで初日より沢山のイタリア人が訪れて入館制限されているほどの人気イベントでした。各日本の紹介ブースでは実際にお客様に参加して貰う体験講座をそれぞれ用意されていたそうですが、初日にあっという間に品切れとなるという盛況ぶり。
専門の通訳はいませんでしたが、その代わりにトリノ大学で日本語を学んでいる生徒さんが各ブースでボランティアで通訳をするとの事でした。実際岩本和裁さんのブースでは殆ど友人が通訳を兼ねてました。
岩本和裁さんでも、可愛い和風生地で小物入れを運針(手縫い)するとか飾り結びの紐を作る講座をされていました。従来外国人は余り器用でないケースが多かったそうですがなんとイタリア人の器用さに驚いたとのこと。人気でした。
他出展は日本刀剣・ビーズ刺繍・日本酒の紹介・お習字やアニメキャラクターのカード作成(日本の大学生のブース)等。この出展の他、日本の踊りや着物のファッションショーなども別途広場はテアートロで開催されたとの事でした。ますます日本文化が人気上がっています。
<嬉しい出来事>
彼が13歳の時に私とカゼルタで出会い、私が日本人であることから日本語に興味を持ち、ナポリ東洋大学で日本語科を選択して勉強していました。私の勧めで日伊協会の日本語講座に参加した際は、レベルが高いクラスになり、皆について行くのが大変で毎晩私が勉強のヘルプをしました。
その後も、カゼルタに行く度に日本語の勉強を一緒にし、時にはWhatsAppで日本語の作文の添削を頼まれたりと彼の勉強を手伝い続けました。文法も難しくなり、私でも上手く説明出来ないことも多く、彼もめげることもありました。でも一生懸命応援しました。試験合格の報告を受ける度に、胸をなで下ろす日々でした(母親の心境)。
10月末にFacebookの掲示板で彼の卒業した晴れの写真と、沢山のお祝いの言葉の掲示板を見てすぐに「おめでとうの言葉」を送り、居ても立っても居られなくなり彼の父親である友人に電話しました。そして本人に改めて「Auguri!!!」と本当に頑張ったねと伝え、彼の母親とも話し、私も母親の心境で胸にこみ上げる嬉しさを彼の家族と分かち合い
ました。
イタリアでは大学入学はたやすいですが、卒業するのは大変で父親曰く沢山の生徒が落第したそうです。その中、息子さんは死に物狂いでの勉強だったそうで、普段のおっとりとしたどちらかというと、勉強するのが苦手な面を見ていた私は正直驚きました。今年の9月に良い成績で試験合格の報告を受けた時に、きっちりと4年で卒業すると決意したその心境が伝わったことを思い出しました。
友人曰く、彼はこれから自分の進む道を現実的に考え始めているそうです。勿論以前に、私は彼の思いと考えは多少聞いていましたが、13歳のあどけない少年が毎年成長しながら大人になったことを、家族の思いで見てきた自分を感じています。