<Armonie in Pizzico 新しいシーズン開始>
ブレイシャのグループ、アルモニエ・イン・ピッツィコ(Armonie in Pizzico)の新しいシーズンが始まりました。今回はミラノオーケストラの友人、タチアーナ(Tatiana)がマエストラみきさんとのレッスン前日のわれらのグループの練習にも参加したいとのことで急遽、彼女はブレイシャにホテルを取り、金曜日に一緒にブレイシャに行きました。
彼女とはミラノオーケストラでいつも隣同士で弾いており、色々マンドリンに関するお互いの意見交換をする間柄です。かねてより、バロックのマンドリンデュエット、ギターとマンドリンデュエット、カンツォーネ・ナポレターナの演奏等を一緒に演奏したいプログラムを考えていて、車中そんな話で盛り上がりながらブレイシャに到着。
今回のグループ練習は、新しい曲を試す機会でした。初参加のタチアーナも初見の楽譜を見ながら楽しく演奏していました。長いバカンスを終えての再開のせいか、皆久しぶりの仲間との演奏に古い曲も次々とリクエストが上がり、気分良く盛り上がり、楽しい時間を過ごしました。
タチアーナも、ミラノオーケストラとは異なる雰囲気と曲目にやや興奮気味に、気軽にお喋りしつつ、皆でワインで乾杯しました。初参加ではありましたが、皆とも打ち解け、また彼女の望んでいるレベルの演奏であったようです。また次の機会に参加したいとのことで、今回の初参加は成功であったと思いました。
彼女はミラノ近郊のモンツァ(Monza)在住で、ブレイシャへの宿泊を伴う参加はかなり負担がかかると思いますが、マンドリンにかける思いは熱く、その意欲には頭が下がる思いです。そんな友人とイタリアでマンドリンを通じて出会えた幸せを感じます。
<北イタリア日本人会の秋バスツアー参加>
10月中旬の日曜日に、北イタリア日本人会のバス旅行に参加しました。参加者は40名程で、天気も良く暖かい旅行日和でした。
今回はヴェルディのオペラ「リゴレット」の舞台、また世界遺産の町として有名なマントヴァ(Mantova)です。以前から行きたかった所ですが、距離的には近いのですが、電車で行くには乗換が不便な所ですが、今回はバス旅行なので参加しました。
この町は以前4つの湖に囲まれた島でヴェネツィアのようだったそうですが、18世紀にオーストリアに占領されたときに、一つの湖が埋められて現在の3方を湖に囲まれた美しい町になりました。
「15~16世紀にかけてマントヴァは侯爵領となり、続いてコンサーガ公国となり、経済発展とルネッサンス文化・芸術の花咲くヨーロッパ第一級の都市となる。ゴンザーガ家は宮殿をより美しく壮麗に拡大し、隣国フェッラーラから嫁いだイザベッラ・デステによって、その芸術的隆盛は彼女の「教養高い、マントヴァ侯爵夫人」としてイタリアのみならず、ヨーロッパ宮廷からも尊敬され、法皇までもが彼女に一目おいたとされる。」(地球の歩き方から抜粋)
オペラのリゴレットは最初、フランスの王国を舞台としていたそうですが、余りに内容が道化なので、反対されてこのマントヴァ公にすり替えられたとか。不名誉な話ですね。
メインの見学はマントヴァのシンボルと言われるドゥカーレ宮殿、ここは事前予約となっており(最近どこも事前予約が必要な場合が多い)、2組に分かれて見学をしました。壮大な屋敷で部屋が500近くあり、召使の部屋も含めると1,200以上あるとか・・・ 宮殿入口は2つあり、一つは塔になっており、来客が馬にまたがったまま登る低い幅のある階段を、私たちも登りました。もう一つの人間用の入口の階段はやはり幅広く低いのですが、これは、パバーナというダンスを踊りながら登るためのものだとか。なんとも優雅な光景だったでしょう。その踊りやメロディーは、その後ヨーロッパにも伝わり流行り、様々な影響を与えたそうです。今回のガイドさんは歌が上手で、その歌や踊りをいくつか披露してくれました。
宮殿内部は様々な芸術作品が展示されており、特にマンテーニャが描いた有名な「結婚の間」にはゴンザーガ族が描かれており、やや上から見下ろすその絵からは視線が全く下を見ておらず、いかにも権勢を誇った生活だったのだろうと想像しました。
楽しみにしていたお昼のランチは豪勢で、フルコースの熱々料理は中々美味しく満足の行くメニューでした。特にカボチャ料理が有名で、伝統料理のトルテッリは絶品でした。「どれも新鮮でとても美味しかった」とお店のサーブしてくれた方にお礼を言いました。団体でのお料理では珍しいと思います。
余りに沢山の料理にワインを飲み、また時間もかかったので(2時間)そのあとの時間もなくなり、お腹をこなすために湖畔を散策して、ミラノに戻りました。観光客が多く、また狭いので道路の渋滞がひどく、出来れば余り観光客が少ないと思われる冬の平日が良いかなと思いました。またゆっくり訪れたい町の一つです。
<Musica Poesia 新シーズン開始>
昨年から会員になった、毎月1回ミラノ市内の美術ギャラリーで開かれるクラシックコンサート組織「ムジーカ・ポエジア(Musica Poesia)」の新シーズン開始に伴い、プレゼンテーションがありました。会員のみのプライベートな催しで、スカラ座近くにある、大きな建物1階にある銀行のエントランスで開かれました。
主宰者のご夫婦はピアニストでお二人のピアノ連弾演奏、昨年のコンサートでも出演された、テノールとソプラノ歌手のお二人のオペラ曲を鑑賞しました。その建物は古い立派な建物で、天井も高くエントランスは広く音が響き渡り、舞台とは異なるゆったりとしたものでした。
コンサートの後は、アペリティフが用意され、しかもラザニアとリゾットのオーブン焼きという暖かい料理まであり、音楽を心地よく聴いた後のお酒で寛ぎ、歓談する贅沢な時間でした。今回友人を誘い、次回の新シーズンから参加することになりました。
平日の17:30から、中心街にある銀行内のエントランスでコンサートを開けること、一般人がそこに入場して鑑賞出来、アペリティーボでお酒とお料理をいただくなんて、日本では考えられません。コンサートは出来ても、一般人が出入り可能な大きなビルのエントランスが限度です。こういうヨーロッパの音楽に関する緩やかさというか理解が魅力に感じることの一つです。
<不運な出来事連発の日>
ミラノオーケストラの仲間はある夜のコンサート会場で、前のプログラムのダンス発表会が終わるのを待っていました。突然、誰かが倒れたらしく、救急車が来て、暫く救急対応しましたが、残念なことにその方は亡くなったようでした。結果その夜のイベントは中止となりました。救急車が急いで立ち去らなかったのでおかしいなと思ってました。知り合いを4人呼んでいたので残念でしたが、重苦しい気分で皆帰ることになりました。その方のご冥福を祈るばかりです。
そしてトリノの友人の話。
このコンサート前日、バスでスリにあい、それも検札でチケットを見せようとバッグを見たら無いことに気づいて、結局無賃乗車で€90の罰金を課されました。彼女は盗難二回目です。一度目はミラノのトラットリアで、全ての貴重品が入っていたバッグを置き引きに遭いました。今回はバスの中で40~60代のグループだったとか。自分の不注意に呆れてましたが、バスは特にスリが多く、揺れるし混んでいると全く気付かないと思います。私は一度スリに遭ってから、バッグには€20以下の現金しか入れず、それも財布ではなく小さいポーチにしてます。チケット類は別のパス入れに。他の現金やクレジットカードは直接体に隠しています。兎も角、危険を分散しないと掏られたときのショックが大きいからです。皆に勧めていますが、自分は起こりえないと思っている人が多く、被害に遭ってから反省する場合が多いです。
そしてコンサートの有るはずだった夜、私のイタリア語の先生の家の車が盗まれ、なんと翌朝2時に彼女の自宅から近い場所に放置されていたのが見つかり、カーステレオ、座席などすっかり盗まれたと。タイヤは付いていて良かった。新しい車だと唖然とするほど取り外して盗んで行きます。幸い盗難保険掛けてたから良かったそうですが、いずれにせよ不愉快極まりない不幸な事件だったと思います。イタリアでは家には駐車場がなく、自宅前の専用路上に駐車している場合が多く、いつも危険だなあと思って見ています。