イタリア・ルネサンス-―この言葉の永遠の輝きは、それが生み出した数々の芸術作品・文芸作品のなかにのみあるのではありません。 中世から近世にかけての時代の荒波のなか、古さと新しさを織り交ぜながら新たな発想と精神をもって自らの個性を発揮していく興味深い人物が数多く現れるのもルネサンスの魅力の一つです。 このセミナーでは、ジェノヴァ、フィレンツェ、ローマ等を舞台に、各講師が最新の研究成果をベースにこの激動の時代を生きた人々の生き様をわかりやすく語ります。 人物たちの行動様式から、それぞれの「ルネサンス」を感じて楽しんでください。 | ||||||||||||||||||||
第2回 レオナルド・ブルーニ ─フィレンツェ・ルネサンスの精神を育んだ人文主義者─ イタリア・ルネサンスというと美術や建築にばかり目を奪われがちですが、この大きな文化活動は人文主義の精神から発しています。 「人間」探究の先達として古代人を敬い、あらゆる点で古代の「模倣」を行おうとした人文主義の考えから、ギリシア・ローマ文化の「再生」が目指され、新たな「創造」が生じました。 セミナー第2回では、この人文主義の担い手となった知識人、すなわち人文主義者を代表してレオナルド・ブルーニ(1370頃-1444年)を取り上げます。 ブルーニは、フィレンツェ都市政府書記官長として政治、外交の分野で精力的に働きつつ、近代歴史叙述の祖ともいわれる『フィレンツェ史』をはじめ多くの人文主義的著作を残し、アリストテレスの翻訳でも知られました。 ブルーニの名は一般にはあまり馴染みがないかもしれませんが、フィレンツェがまさにルネサンス揺籃の地となる時代の知のリーダーといえる人物です。 政治と文化が密接に絡み合う都市社会からルネサンスが生まれた歴史的背景と、その中で新しい精神を育んだブルーニについて紹介します。 | ||||||||||||||||||||
<講師プロフィール> 三森 のぞみ(みつもり のぞみ) 慶應義塾大学非常勤講師。イタリア中世史専攻。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程単位取得満期退学。イタリア政府給費留学生としてフィレンツェ大学に留学。共著として『イタリア都市社会史入門』(昭和堂)、訳書にキアーラ・フルゴーニ『アッシジのフランチェスコ ひとりの人間の生涯』(白水社)などがある。
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引き続き、6月以降は以下の日程(時間帯・受講料・会場は本セミナーに同じ)、テーマで開催いたします。
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