イタリアマンドリン通信 「新年初コンサート」「ミラノスカラ座公演鑑賞」「トリノでのランチ」


<新年初コンサート>

新年早々、ブレーシャから車で30分の町の教会で初コンサートがありました。

インフルエンザにかかりコンサートで弾けないメンバー(マンドラ*)が2人もいて、他に前日になってその日がコンサートと知らなかったという情けない新メンバーが1人、そしてなんとマエストラの西山さんも前日に38度以上の熱を出し・・・一体どうなるやら?の新年幕開けでした。

マンドラ2名が欠けては音楽にならないので、急遽ブレーシャ在住の日本人マンドリニスタにピンチヒッターを依頼したのがコンサート2日前。合同練習は新年1回だけで本番となりました。

当日西山さんは、熱は下がったとのことでコンサートには出演され、ホっとしました。当然調子は悪そうですが、凄い責任感ある方です。熱があってもいらしたでしょう。。。

会場の教会は、幸い暖房が効いており、寒さはしのげたので凍える演奏とはなりませんでした。新年早々でまだクリスマスバカンス中ということに加え、当日はかなりの寒さでもあり、、観客は少なく少し寂しいコンサートでした。

コンサート終了後すぐ帰るのかと思いきや、皆でPizzaを食べに行こうということになりました。そこは郊外のレストランが幾つかあり、映画館もある広い施設でした。当然予約していませんが、10名でも簡単に入れるアメリカンスタイルのレストランで、入ると床に何か散乱していて汚いなと思ったら、それは落花生の殻でした。

メンバーの2人が手に一杯の落花生をどこからか持ってきて、皆がビールと料理を待っている間、それを剥きながら食べ始めました。友人に聞くと、アメリカンスタイルというのはこの落花生を食べながら、殻はどんどん床に捨てるのだと。

「アメリカってそうでしょ?」と言われて、確かにメジャーリーグの試合で、お客も選手も座席やダッグアウトでゴミをどんどん捨てるテレビのシーンが頭に浮かびました。

しかしレストランの床が落花生だらけで、ゴミはそれだけではないですが、皆平気で床にゴミを捨てて行くのは、何もここだけではありません。駅も町も全部です。これが、私のちょっと嫌な海外の習慣の一つです。彼らは日本のどこに行ってもゴミが落ちてないことが不思議なのです。

実は、今回のコンサートが最後というメンバーが一人おり、最後は花束贈呈となり長年一緒に活動してきた仲間が去ることで、私は一緒に弾いたのは数年ですが胸が一杯になり涙ぐんでしまいました。いつも私に気遣ってくれ優しい方でした。本当に残念ですが、今後彼不在のセコンドで自分を奮い立たせるしかありません。

<ミラノスカラ座公演鑑賞 マダムバタフライ>

12月にテレビでミラノスカラ座公演「マダムバタフライ」を見て、その演技と音楽に感動して、なんとかチケットが取れないものかと探しておりましたら、1枚ガレリア2階席でしたが€110でやっと見つけて取りました。ミラノに住んでいながら、スカラ座でのオペラ鑑賞をしたことがなく、いつか行ってみたいと思いつつも実現しておりませんでした。

実際に行くと、ガレリア席も満席で立ち見の人もいました。遠くはありましたが、幸い舞台正面であり、全体とオーケストラも見えてまずは良かったと思います。しかし、テレビではオペレッタの演技が画面一杯に写って、その表情と演技力に感動したのですが、彼女は小さくしか見えず、オペラというのは背景の素晴らしさ、オーケストラの演奏と歌手の歌唱力と演技力が揃って初めてドラマになるのだと思いました(良く知らないので)。

今回スカラ座で公演された「蝶々夫人」は、なんと150年ぶりに復活した初演バージョンだそうで注目されました。しかし今までの蝶々夫人は中国風の着物であったり、部屋もなにか日本の江戸時代とはかけ離れた、おかしな舞台であったのを覚えています。

しかし今回は日本文化を正しく見直して演出するために、日伊の関係者が協力して出来上がったものだそうです。とは言え、女性のカツラがまるで花魁のように大きくて派手な髪飾りだったり、平安時代風の武士が出てきたり???、お辞儀や座り方、座敷への上がり方など我々があれ!と思うおかしなことが沢山ありました。仕方ありませんが、かなりデフォルメされていることは確かです。

でも舞台背景の作りが素晴らしく、特に長崎の海を眺める風景や桜の花びらが散った庭が大きい障子から現れるシーンは観客からため息が漏れました。浮世絵や花が次々と写しだされ今までにない、美しい日本の背景が見事で感心しました。しかし何と言っても蝶々夫人役のオペレッタは、出ずっぱりの歌いっぱなしという印象で驚きました。大変な役だと思います。また次回違う演目で是非鑑賞に行きたいと思います。

<トリノでのランチと夕食づくり>

トリノの友人の一人がご主人の転勤で日本へ帰国するので、トリノのピエモンテ料理のレストランでランチをしました。天気も良く明るい日差しが降り注ぎ、とても店員も親切で可愛いレストランでした。

トリノは建築物も重厚で歴史ある町です。私は特にパスティッチェリア(お菓子屋)とバールがお洒落で、ミラノとは違う雰囲気が大好きです。建物の間から雪山が見え、寒いからこそのとても美しい眺めでした。

列車はいつもItaloを使いますが、普通列車とは異なる綺麗な車両で、しかも格安料金で1時間であっという間に着きます。トリノはミラノから近くのお薦めの場所です。

今回はトリノ友人の友人(イタリア人)の家に泊まり、夕食にロールキャベツと炒飯を作りました。

その友人のお父様も来て、「美味しい」と言ってくださりホッとしました。作ったロールキャベツは日本風にアレンジした洋風家庭料理ですので、純和食より余り抵抗なく食べられると思って作りました。野菜もタップリ入れたのでスープもパンで浸して全部食べてくれ好評でした。

その友人に一番好きな日本の一品は?と聞いたら即座に「ラーメン!」と答えてました。。

イタリア人に日本料理を作って欲しいと言われるときは、余り純和風のものよりこういった家庭料理の方が受け入れ易いのです。餃子や肉じゃがも好きですね。お寿司は寿司飯を作るのが結構大変で手間もかかるし、新鮮な魚は少ないし、海苔巻きは準備がかかるし殆どしません。でもイタリア人は好きなので練習しておこうかなあとも思ってますが。
*マンドラはマンドリン属で、マンドリンよりも一回り大きい弦楽器。