当日は、日伊協会の会員のみならず、イタリアに興味を持つ多くの方に来場いただき、参加者300名に達する盛会となりました。
最初に島田精一新会長のご挨拶の後、6月22日に急逝された日伊協会評議員代表の岡野喜之助様に黙祷を捧げました。
第1部前半には、昨年のミラノ国際博覧会の公式記録映像(JETRO制作)を上映いたしました。日本館は、最も人気の高かったパビリオンの1つで、展示デザイン部門で金賞を受賞しました。「食」をテーマにした初めての万博で、わが国は和食の文化の紹介を館内、イベントステージ、さらには博覧会の会場を出てミラノの街で多彩な形で展開しました。その一部始終が映像により再現されて、博覧会に行けなかった人にもその雰囲気をお伝えすることができました。
しかし、今日の講演は、ヤマザキさんとイタリアとのそもそもの出会いからお話が始まりました。中学生の時のヨーロッパ美術の一人旅の途中で出会ったマルコ爺さんの勧めで、再び高校生の時に渡欧、初めてイタリアに入りました。それからフィレンツェでの苦しい生活、助けてくれた教養人や職人たちのことなど、困難をユーモアで包んでのお話をお聴きしているうちに、1時間はあっという間に過ぎてしまいました。
ヤマザキさんからのメッセージに「長い歴史と経験を経てでしか得られない人々の中にある奥行と諦観と懐の広さ、そしてプライド。イタリアは単に人生を楽観する人々が暮らす、明るく太陽のような側面だけの国ではありません。」とありましたが、イタリアという国の「質感のある品位」と「抜きん出た感性と知性のクオリティ」が、ヤマザキさんの体験談から浮かび上がってくる、すばらしい講演でした。
この募金は、日本からイタリアへの文化発信事業に助成する「日本文化奨励基金」を拡充することを目的としています。今年の夏も、例年通り、イタリア人大学生に対する「日本語・日本文化夏期講座」に助成をする予定でおります。おかげさまで、今回もみなさまの暖かいご支援をいただきましたので、純益30万円を基金に繰り入れる予定です。
第2部の終わりには、蒲谷理事のピアノと歌唱指導により、全員でナポリ歌謡の『帰れソレントへ』を歌いました。
ご提供いただいたカンパリとワインがお料理を一層盛り上げました。またドルチェは、バール・デルソーレさんの担当で、チョコレート菓子を使ったオリジナルティラミスとエスプレッソが提供されました。
最後になりましたが、ご参加くださった方々に、改めて御礼を申し上げるとともに、今回の企画に協力をいただいた、以下の企業・個人に深く御礼を申し上げます(敬称略)
本イベントに多くの企業・個人からラッフル景品、食材、飲物のご提供など多大の協賛をいただきました。ここにお名前を掲載して御礼申し上げます。(敬称略)