<スリ遭遇事件>
なんと私は満員の地下鉄で、スリに遭ってしまいました。。。その日は、2つのアポイントがあり、A4サイズの書類が沢山あり、取り出し易いように大きいバケツ型のバックでチャックなしでした。一つ目の約束を終えて、ミラノ中央駅で友人と待ち合わせ、そこから地下鉄に乗るべくホームに来た電車を見ると、超満員の車両!一瞬嫌な予感がよぎりました。でもその列車に乗りこみ、友人にはバックをお腹の前において手で押さえて持つように言いました。とても不安でした。
そこに左手に居た背の高い外国人が声を掛けてきました。多分この時、もう一人が居ての仕業だと後で思いました。他に気を取られている場合が一番危ないと言います。目的地で降り、美味しいジェラテリアでジェラートを注文し、支払おうと思ったら、財布とクレジットカードとアパートの鍵を入れたポーチがなく、(ああスリに遭ったのだ!)と愕然となりました。幸い財布に現金は普段少額(€30位)しか入れないのですが、クレジットカードをブロックせねばなりません。急いで私は家に戻り、友人にはお詫びを言って帰って頂きました。
イタリアに持参した全てのカードの緊急連絡先はリストにしてあるので、すぐ電話して止めました。まずは一安心、何人かの友人に警察への盗難届について問い合わせをし、翌日警察に行き、1時間以上待って盗難届(denuncia di furto)をして
まいりました。今回はカード会社では必要ありませんでしたが、旅行保険や銀行などではこの届けの提出を義務付けている場合があります。この2日間の悪夢のような出来事は走馬燈のように頭の中を巡り、どっと疲れが出ました。
そして、いつも肌身離さず身につけている小さなポシェットに入れてある「80ユーロ位の現金、ペルメッソ(*1)、友人の電話番号、そしてアパートの合鍵」が役に立ちました。家に入れないのが一番不安ですから、本当に合鍵は作っておいて良かったと痛感しました。結局カードの被害はありませんでした。普段からの準備が大事です。パスポートはコピーだけ所持し、お金とカードは一緒にしないことです。
<スリ話第二話>
そして、後日あった話です。会話学校で知り合った友人のスペイン女性がミラノに来たので、彼女が帰国する日に会いました。とても優しい、気持ちの温かい謙虚な彼女が大好きです。イタリア語のお蔭で交流が出来ることが楽しいですね。あくる日にメッセージを送りました。無事にその日の夜に帰ったと思いつつ。。。
しかし、返信を見たらまだミラノに居るとのこと。???なんと、帰るその日に私と別れた後、盗難に遭ったそうで、詳しいことは分かりませんが、財布、クレジットカード、パスポート等全部を盗まれて、ミラノのスペイン領事館で手続きしているとのこと。。。帰りの便には乗れず、そのあくる日の長距離バスを予約したとのことでした。なんという災難なんでしょう!国に帰れず、現金なくクレジットカードがないなんて!一瞬恐れました。もし自分だったら、独りだったらどうしたでしょうか?
幸い彼女は、ミラノ在住の親しい友人が居て、色々と助けてくれたそうです。。良かった。もしそうでなかったら私が手を差し伸べてあげていたでしょう。ミラノからスペインのバレンシアまでの長距離バスって一体どの位の時間が掛かるのか?余りに気の毒で聞けませんでした。でも、帰れることが分かってホッとしましたが。
クレジットカードのスキミング被害も日本人は多く、現金を貰って、自分のカードで購入してあげるなんて、絶対にやってはいけないことです。ミラノ領事館からのこの被害に対する注意(*2)が毎月あります。そして、そのあと友人が親類をアテンドしていた時、たいして混んでいない車両で、バックに手を入れて盗もうとしていた少女達がいて、追い払って食い止めたとか。でも逃げようともしなかったとのこと。このように、白昼堂々、人目あるところでも盗まれること多々あります。。
以上災難話ですが、ヨーロッパは移民も増えており、物乞いも沢山います。不具者に見せかけているパターンも多く、まず信用は出来ません。危険度はテロに限らず増えています。特に外国人は狙われ易いので、くれぐれも大事な所持品の持ち歩きは、ハンドバックとは分けて下着の下に隠すが基本です。露頭に迷うなんてこと絶対に避けねばなりません。まして友人が居なければ、解決に時間が掛かり全てが困難です。語学力、特に何かの際は英語は必須です。。。
<ミラノ再発見ツアー>
私が会員になっている「北イタリア日本人会(*3)」が毎月開催している「ミラノ再発見ツアー」に参加してきました。今回は「ミラノの水路と秘密の庭園」がテーマの古い時代、水の町であったミラノの跡を探るツアーでした。
まず、当日はDuomoからトラムで6つ目のBasilica di S.Eustorgio前に集合。なんと約28名の参加者で男性1名のみ。。平日の午前中なんて暇なのは女性だけか?
ミラノにある5つの門の一つ、「Porta Ticinese」まで歩きます。この門は、ナポレオンを歓迎の意味で、ミラノ市民がお金を払って建てたそうです。
この運河の水はマッジョーレ湖の上流から来る水流で、それがパヴィアまで流れているそうです。下流まで斜度があるので、当時殆ど櫂を使わずに物資を運搬出来たのです。良い利用方法だと感心しました。Duomoの建築資材である大理石もこれで難なく運ばれたのです。スペイン統治時代に、以前あった壁がレンガで再現されていたり、ある水門は閉じられ、そこから離れた場所に移設されてました。そこにある立派な水門は、当時のある貴族からの寄贈で、家紋がありました。
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*1 ペルメッソ Permesso (滞在許可証)
*2 北イタリアに関する治安情報が以下のサイトでご覧になれます。
在ミラノ日本国総領事館 安全情報 北イタリア治安情報
*3 北イタリア日本人会 公式ウェブサイト
日伊協会会報「CRONACA」148号でもご紹介